山の中の彼らへ
無名Shadowへの手紙
梅雨の六月
雨が降れば雨を防げる屋根を探し、傘をさす。
動物や虫でさえも雨を避け活動をやめる。
そんな静まり返った山の中であえて活動を続けるShadowがいる。
重い荷物
険しく急な山道
靴下までぬれ、泥だらけの靴
身体の部分で濡れていない場所など一つもない。
もはや、汗なのか雨なのかわからない。
皮膚はふやけ白くなり、いつ擦りむいたかわからない傷が痛んでいる。
最後に乾いた服を着たのはいつだろう。
最後に飯を食べたのはいつだろう。
最後に家族と楽しい時間を過ごしたのは、、、
どうでもよくなる。
なぜこんな道を選んでしまったのか?
後悔が頭をよぎる。
ふと登り切った山の木と木の隙間から街の明かりがみえる。
あそこの人たちは今も普通の生活をしてるんだろうな。
自分たちがこんな山奥で、こんなきつい思いをしてるなんてだれも気付いてないんだろうな。
どうか心配しないでほしい。
私たちは忘れていない。君たちのことを。今も、雨の中。そして夜、私たちが眠る前も。
静かに、だが強く。その時のために、いまを戦い続けているShadowがいることを。
山の中で今を戦うその人たちと、それを指導する人たちに、
敬意を表して