父の日に思う ep.2

親父の背中 2

親父って考えても、何も出てこなかった。親父は今、市民を守るShadowから退いてる。よく顔も合わす。

今まで嫌いってこともなければ、好きってこともなかった。

これといって何も出てこない。

 

俺は30年以上野球をやっている。親父は野球が好きだった。無理やりやらされた野球だった。

厳しかった。できないことがあるとすぐに怒られた。俺は嫌だった。野球が嫌いだった。

三交代で帰ってくる日がほんとに憂鬱だった。蹴られる時もあった。親父に見られると萎縮した。

だが、野球は上手くなった。強豪校に進学した。回数は減ったが、親父もたまに見に来てた。

高校二年の夏、挫折した。途方に暮れて、諦めそうになった時期。親父が仕事終わりに練習を見に来てた。今でも覚えてる。疲れた顔だった。

なぜだろう。

続けようと思った。理由はわからないが。やり切ろうって思った。

 

俺は大人になった。

なぜだろう。

気づいたら親父と同じ市民を守る仕事の試験を受けていた。

 

俺にも子供ができた。

なぜだろう。

気づいたら、子供二人とも野球をやらせてる。試合に出てる子供にハラハラして、毎週見てる。指導の仕方は違うけど、熱くなる時もある。

 

なぜだろう、親父

勝手に同じ階段上ってたよ。上って分かったことがある。

ずっと見ていてくれたんだって。

 

今になってやっと気になってる。親父がどんな顔で仕事していたのか。

今、気づけて良かったよ。まだ間に合うから。

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