高みを目指す者、挑む者

夏本番、訓練や現場も厳しい季節だからこそ組織や指導者に伝えておきたい。

― 熱は人を殺す。― 

「暑熱順化」や「熱中症分類」という言葉を知っているだろうか。現場で使えるだろうか。

特殊な目的や環境、装備での訓練はスポーツの安全管理とは異なる。だが活用するべきだ。

近年の異常気象に伴い、管理者や指導者の意識や知識に変化が求められている。

いわゆる根性は昔の話だが組織によってはまだあるし、時に必要とし、時にそれを求める。

しかし、経験則や時代遅れの対処では対応しきれない事が現場では存在する。

熱のダメージは外傷がなく、判別も困難なため公にはなりにくい。

だが、組織としてさらなる高みを目指すため、腕が折れるより危険なことを、対策したつもりで続けることはできない。

高度な訓練には、高度な安全管理が必要だ。組織や指導者こそ学びが必要である。

熱に関する理解を深めることに努力しているだろうか。皆が初期治療について学んでいるだろうか。

科学的な知識をもってチームで話合っているだろうか。

医療チームに任せると思っている指導者がいたら、すぐに辞めたほうがいい。

もう一度言うが、これはスポーツの話ではなく、任務従事者の話である。

責務が彼らを突き動かして、事に臨む。自らの限界を厭わずに。

知識ある指導者ならばその瞬間を逃さないはずだ。重篤な場合、最初の数分が勝負だと知っているからだ。

最悪の事態を防ぐことが出来る。「今まで無かった」という慢心を捨て、考え努力する機会となってほしい。

危険を承知で、鍛えることの重要性を知る者として私たちは発信し続ける。

熱への理解と対応を当たり前にすることがゴールだ。

そしてそれを教えてくれた仲間との誓いを守る

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